蜃(しん)



鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』に描かれた、海の底にいて不思議な気を吐き出し、その気が海上で幻の楼閣を形作ると言われる巨大な蛤(はまぐり)の妖怪。中国から伝わった妖怪で、解説文では中国の歴史書である史記より「海旁の蜃気は楼台に象る」と引用されています。

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幽玄なる伝承世界で影山が思うところのロマン中のロマン、蜃気楼。実在する現象であり、それが故に幻の代名詞とされ、幻なんだから中なんて無いですよ?的に内部の話が伝わっていない白紙の楼閣。そこに実際行く、というのはある意味とても無粋だとは思うものの、物語りのはしくれとしてして非常に想像力を刺激される題材であり、こうして妖怪絵日記にて取り上げた次第。

この蜃気楼のエピソードは妖怪絵日記における奇異太郎少年の最大の冒険となります。長くなるかと思いますが、しばらくおつきあいのほどを。


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