白蔵主(はくぞうす)





『絵本百物語』に描かれた、僧侶に化けたとされる白狐。その昔、自分の子達を何度も猟師に殺された老狐が、その猟師の伯父である白蔵主という名の坊主を殺して入れ替わり、猟師に殺生をやめるよう戒めたと伝えられています。その狐は後に正体がばれて殺されてしまいますが、以来、僧侶に化けたり僧侶の真似事をする妖狐をまた白蔵主と呼ぶそうです。

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大阪の少林寺にも似た話が伝わっており、その白蔵主は三本足だったそうで稲荷大明神の使いとして祀られています。しかし、身内を殺されたからと敵側の身内を殺して殺生の罪をどうこう言うのはお前が言うな……的な理不尽さを感じますね。どの話でも結局最後は入れ替わりがばれて殺されるので、因果応報といえるかもしれませんが……。



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