提灯お化け(ちょうちんおばけ)





江戸時代以降の様々な妖怪画に見られる、提灯の形をした妖怪。唐傘お化けと同じくその姿はメジャーですが、これそのものにまつわる話はほとんど伝わっておらず、他の怪異の添え物としての出番が多い妖怪のようです。その正体は提灯の付喪神だとも、怪火の妖怪だとも言われています。

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山形県には夜の神社に提灯のお化けが出るので辺りを調査してみると、古い提灯があったので処分してみたところ以降お化けは出なくなった、と話が伝わっており、これはおそらく提灯の付喪神だったのでしょう。一方、鳥山石燕の『百器徒然袋』には「不落不落(ぶらぶら)」という提灯のお化けが描かれており、これは付喪神でなく狐火の一種であると解説にはかかれています。夜、遠目に見える怪火を提灯と認識するのは難しいでしょうから、そのあたり怪火のお化けは多くとも提灯のお化けの伝承が少ない理由かもしれませんね。



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