滝霊王(たきれいおう)





鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれた妖怪。解説には、「全国の滝つぼに現れるという。青龍疏(仏教の経典である金剛経の解説書)に『全ての妖怪と悪いものを打ち払う』とある」と書かれています。正体については明言されていませんが、その絵から判断するに、どうやらこれは仏教で信仰されるところの「不動明王」であるようです。

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この滝霊王をはっきり妖怪と分類するかは妖怪専門家の間でも意見の分かれるところでしょう。石燕が何を思って妖怪絵としてこれを描いたかはわかりませんが、影山としては「その正体がわからないうちは妖怪」であると考えるので、「不動明王」ではなく滝つぼに浮いてる剣持った変なおっさんの「滝霊王」である間はやはり妖怪といって良いと思います。

ところで、「最強の妖怪はどいつだ!?」なんて妖怪好きの間ではよく交わされる議論ですね。九尾の狐、有名な鬼たち、天狗、はたまた巨大な龍や大百足、ダイダラボッチ、妖怪と解釈した「空亡」など……毎度最強候補はたくさんあがるのですが、なかなか上がらない気がするのがこの滝霊王。まあ、前述の「これ妖怪じゃないだろ」ってのと、石燕が描いただけのマイナーさゆえでしょうか。ただ、仮に彼を妖怪に含めるならば、ぶっちぎりで最強であることは間違いないでしょうね(でもやっぱり反則臭いですけど)。



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