二口女(ふたくちおんな)

いくつかの昔話に登場する、頭に口がついた女の妖怪。江戸時代の奇談集「絵本百物語」では髪の毛を触手のように使って、頭の口に食べ物を放り込む姿が描かれています。その正体は話によって異なり、鬼女だったり蜘蛛だったり頭の傷が変化したものだったりするようです。

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二口女の話で有名なものは、「飯食わぬ女房」でしょう。あるケチな男の前に、「ご飯は食べないので嫁にしてほしい」と女が現れ、こりゃお得だと男は喜んで嫁にするのですが、男が留守の間にどうも蓄えの米が減っている気がする。そこで家を出る振りをしてこっそり家の女房の様子を覗き見ると、女房は大量のおにぎりを作って頭にある口で食べていたというもの。
また、別な話では頭に傷を負った女が、その傷が口のように変化し、女の過去の罪を独白したというものもあります。

妖怪絵日記ではそれらを色々ミックスした設定で、姿は鬼女ぽく描いています。彼女の艶姿は閑話にて。


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