鶯浄土(うぐいすじょうど)

別名「見るなの座敷」、日本の民話に伝わる話。話の細かいバリエーションはありますが、おおむね次のようなもの。ある男が不思議な屋敷に招かれる。中にはいくつもの座敷があり、座敷の庭には様々な美しい景色が広がっていた。屋敷の女主人から最後の座敷だけは覗かないでほしいと言われるが、男は好奇心に負けて覗いてしまう。そのとたん、ウグイスの鳴き声と共に、屋敷は跡形もなく消え去ってしまったという。

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日本の昔話には沢山の不思議空間が登場し、妖怪絵日記ではそれらを総称して「隠れ里」と呼びます。すずの言うように、この土地にはそういった隠れ里がたくさんある様子。これからの閑話にて、奇異太郎少年はまた別の異界を訪れることもあるかもしれませんね。そのときはきっとすずたちも一緒のことでしょう。

さて、この閑話にて冬編は終了し、次章からは春編に移ります。妖怪絵日記全体として一応とりあえず話の折り返し地点のつもりですが、はてさて、実際どうなることやら。奇異太郎少年と仲間たちと、もうしばらくおつきあい頂ければ幸いです。


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